【保冷ポーチ結露対策研究】 DAY4 ~既製品で検証してみた~
前記事・前々記事、たくさんの方に読んでいただけたみたいで、私の夏休みの自由研究も大変喜んでおります🙌
おかげで成仏(?)できそうです…!!
メンションしてくださった方、感想を寄せてくださった皆さん、本当にありがとうございます🥰
私がこんなけったいな研究を始めてしまったばかりに、保冷ポーチを製作・販売している方はきっとちょっとご不安でしたよね…😢
このまま販売していていいんだろうか、
今まで販売した物は大丈夫なんだろうか、
自分のもビッタビタになるんだろうか…etc…
ご不安にさせた皆様に今日の研究を捧げます🙏
(あ、でも今日の実験が今までで一番たいしたことないかもです😂でも長いです笑)
保冷ポーチ 改良ポイントは3つ??
「保冷ポーチ ビッタビタ現象」
を耳にして、私が最初に考えたポイントは大きく3つあります。
ミシンで縫いやすく、扱いやすくなった分保冷性能に欠けている??
通気性がある=通水性もある=結露した水が外に染み出す??
生地の厚みや防水性が必要??
密閉性に欠ける?? ファスナーをコイルにすれば密閉度が上がる??縫い代も既製品のようにくるむ必要がある??
DAY 4 は、3つのポイントをクリアしている既製品と比較して検証することにしました。
テーマは、
「じゃあ既製品はどうなの?!結露するのはハンドメイド品だけなの?!」
です。
一流メーカー品を買うか…とも考えたのですが、買うのはちょっともったいなかったので(ケチですみません笑)、我が家にあった、
①DEAN & DELUCA 雑誌付録
②100均 seria ミニポーチ
③100均 DAISO お弁当トート
という、超手近な保冷ポーチ3種を使いました😂
既製品を分析してみる
[A]保冷シート
若干厚さは違いますが、3つとも⬇こちらのタイプのアルミシートです。
現在ハンドメイド界で使われている、縫いやすいキルト状の保冷シートが出回る前は、みんなこちらのタイプで作ってたんですよね…。
縫ったことのある方なら分かると思うのですが、コレ、めっちゃ縫いにくいのです😢
しかし、いかにも水を弾きそう。
通気性もなさそう。
(我が家の罪庫にもコレあるんですけどね…作るのはちょっと面倒だった😂来夏は試してみたいところ。)
MYmamaさんにも似たようなタイプがあるんですよね、実は。
こちらを使えば解消するんでしょうか…という相談もいただきました。
(ちなみに2種類の保冷シートを二層にしたけど結露した、という事例も寄せられました。)
この保冷シートも来年の宿題にしておきます。←誰かリマインダーして🙏
③DAISO お弁当トートは我が家の物と同じものではないかと思われる厚み・模様でした。
①DEAN & DELUCA 雑誌付録 ②seria ミニポーチ は少し薄手のようです。
[B]表生地の素材
①DEAN & DELUCA 雑誌付
素材紹介と言っておいて何ですが、生地名が全く分かりません😂
アウトドア用品によく使われているような、ざらっとした感じの生地。
オックス~11号帆布ぐらいは厚みがありそうです。
おそらくポリエステル。
②seria ミニポーチ
ナイロンタフタ程度の薄い撥水生地。
おそらくポリエステル。
③DAISO お弁当トート
3つの中で、いちばんしっかりしたデニム風の厚手生地。
勝手におそらくポリエステル。
[C]構造
3点とも「コイルファスナー」で「縫い代をくるんで縫っている」構造です。
付録・100均ではありますが、3点とも、私が考えた保冷ポーチに必要であろうポイント3つはクリアしていることになります。
これでハンドメイド品より結露しなければ、これらのポイントを採用すればいい、ということになります。(たぶん)
実験start
結露量はあまり変わらないことが前回の実験で分かったので、保冷剤の種類はあまり気にせず使用しました。
①DEAN & DELUCA 雑誌付録
②seria ミニポーチ
①DEAN & DELUCA 雑誌付録 と ②seria ミニポーチ にはDAY2のハンドメイド品と比較したかったので、パンパンに保冷剤を入れました。
③DAISO お弁当トート
こちらは実際の使い方に合わせたかったので、
「コレにお弁当を入れるとしたら、念のためにこのぐらい大きいの入れたりするかな??」
と考え、実用的なサイズより少し大き目なハードタイプの保冷剤を入れました。
今回もDAY3と同じように、結露で増えた重量を量ったのでスケールに乗っていますが、今回はスケールに対してバッグが大きかったからか、イマイチ信ぴょう性に欠けるデータになってしまいました。
一応最後に載せますが、自分としてはあんまりこの数字、信用してません😂
60分後
①DEAN & DELUCA 雑誌付録
[外]はやばやとポーチ背面に水分の染み出しが。(見えにくいですよね…画像内下半分は湿っています。)
[中]保冷剤周囲から溶け出している感じ
②seria ミニポーチ
[外]変化なし
[中]保冷剤周囲から溶け出している
③100均 DAISO お弁当トート
[外]底(トレイと接している面)にわずかに湿り気を感じる。単に表面温度が下がっているだけかも
[中]ほぼ変化なし 表面の霜が溶けたか?
150分後
①DEAN & DELUCA 雑誌付録
[外]ポーチ背面の水分の染み出しが広がっている
[中]ツルツル…半分強溶けている
不織布…8割残っている
②seria ミニポーチ
[外]変化なし
[中]ツルツル…半分強溶けている
不織布…8割残っている
③100均 DAISO お弁当トート
(う~ん、ずっと思ってたけどカッターマットが汚い…)
[外]前面底部分に水分染み出しあり(ちょっと色が変わっているの見えるでしょうか…)
[中]8割凍ったまま
220分後
①DEAN & DELUCA 雑誌付録
[外]ポーチ背面は全体が濡れている。前面も下部分に染み出し始めた。
[中]ツルツル…ほぼ全溶け
不織布…場所によって、8割方溶けている物、2割ほどしか溶けていない物がある
②seria ミニポーチ
[外]下部の縫い目付近に水分が染み出し始めた。手で触ると水が軽く絞れる感じ
[中]ツルツル…8割溶けた
不織布…5割溶けている物も2割ほどしか溶けていない物もあり
③100均 DAISO お弁当トート
[外]8~9割溶けている
[中]前面底部分の染み出し量はほぼ変わらず
300分後
①DEAN & DELUCA 雑誌付録
[外]半分より下及び底はほぼ濡れている
[中]全溶け
②seria ミニポーチ
[外]3つの中で1番濡れている。下に敷いたキッチンペーパーも濡れている。
[中]全溶け
③100均 DAISO お弁当トート
[外]底部分は全体的にじんわり濡れている
[中]全溶け
実験終了
上記のような結果に。(後半、濡れている様子がうまく撮れていないし、word pressが重くて仕方ないしで画像割愛)
全て「タナローンタイプ結露」となりました🙌
みなさん、どう思われました??
私は
な~んだ、既製品もしっかり(?)
結露するんだ。
と思いました笑
「付録だから」「100均だから」というのは否めませんが、どれもハンドメイド品と比較にならない数、流通していると思います。
①の付録は、ものすごい人気だったのをご記憶の方もいるかもしれません。
店頭もAmazonや楽天でも完売、メルカリでも驚くような高値で取引されていました。
付録といっても、一流メーカーの名を使っている訳です。
そんな品でも「しっかり」「ハンドメイド品以上に」結露します。
[A]保冷シート
[B]表面の素材
[C]縫い方
を変えてもやはり結露はする。
「ハンドメイド品だから結露するのかな…」
という心配はとりあえず除外していいような気がします。(多分)
プチプラ品ではなく、一流メーカー品になればもちろんSPECは上がるのだとは思いますが、検索してみると、あのThermosさんの高価格帯商品でも、取扱説明書に、
●使用環境や保冷剤の使用により結露することがありますので注意してください。
●バッグ内に水分がたまると、縫い目からしみ出てくることがありますので、注意してください。
との記載があります。
どんな高性能の仕様でも、きっと「場合によって結露する」ということは避けられないのだと思います。
Amazonのレビューを見ていても、
4時間で結露します。
外気温32度のメットイン内4時間経過で文字プリント辺りが結露しはじめ,一緒に入れていた「アイスノン 首もとひんやり氷結ベルト」が半解凍になっていました。残念ながら(中略)この商品は力不足です。
★★☆☆☆
素材があってない?
バックの下部が濡れる
★★☆☆☆
水分には弱いかも
冷えたお茶を入れて置くと水分を吸収して外側ににじみ出てくる
等、100件に1件?1000件に1件??ぐらいはやはり結露レビューがあります。
「ビッタビタ現象」の発生件数も割合的には似たような感じでしょうか。(たぶん。ならない人もたくさんいますもんね。)
つまり、
ハンドメイド品でも 既製品でも
保冷ポーチ・保冷バッグは時と場合により結露する
という結論に至りました。
(そんなん分かってた…と言われてしまいそうですが笑)
大事なのはその[時と場合]ですよね😅
今回の研究に際して、云年ぶりに露点温度やら飽和水蒸気量やらのあのグラフとにらめっこしました。
絶対温度、相対温度、比エンタルピー、なんだそれという用語も出て来ました。
(知ってます?? 比エンタルピー。1[kg]の空気中の熱エネルギーの量を[kJ]で表し、単位は[kJ/kg]だそうですよ…分かるか~知ってるのは柿ピーとバタピーぐらいだー)
難しい用語はよく分からなかったのでおいといて、(←じゃあなぜ出した)
【結露が起こりやすい3大条件】は、
1.湿度が高い
2.表面温度が低い場所
3.風通しが悪い場所
の3つだそうです。
コレ、保冷ポーチの目的上、3つとも避けようがないですよね…。
からっと乾燥した湿度低い状態で、表面温度高くして、風通しいいポーチにしたら、きっとすぐ溶けてしまう😭
この3大条件は動かしようがないので、作る側・使う側が対応できること、それは
使う条件に合わせてポーチのキャパを見極めることではないかと思います。
声をお寄せくださった中に、
炎天下、子供のスポーツの付き添いに、ハンドメイドのバッグではビッタビタになってしまった。
お値段がそれなりにする、高性能のクーラーボックスに換えたら1日保つようになった。
というご意見もありました。
ハンドメイドの保冷ポーチのうたい文句に、
「炎天下でも1日キンキンに!!冷凍品も夕方までOK!!」
なんて書く人はいないですよね笑
前回の記事にも重複しますが、製作・販売する側が、
□どの程度の冷凍品・冷蔵品を入れて
□どの程度の気象条件で
□どの程度の時間保冷されるか
という「指標」を示すことが必要なのではないかと個人的には思います。
もちろん、それでも「絶対」はなく、気象条件・使い方によって結露が生じる可能性があることも事前にお伝えしておくべきかもしれません。
たぶん、実験の間多くの方が、
「のなりーさん、保冷剤パンパンに入れるから結露するんじゃ…」
と思われたと思います😂
その通りです笑
この「パンパンの保冷剤」が保冷ポーチのキャパを超えているんですよね、間違いなく。
どうやら、ハンドメイド品にしろ既製品にしろ、保冷バッグ・保冷ポーチは「大きめが吉」なようです。
私が詰め込んでいる保冷剤の量であれば、3倍5倍の大きさが必要なのかなと思います。
製作・販売している保冷ポーチの「想定量」を記載するのもアリかもしれません。
(小さめの保冷剤2つが目安、冷凍品を多く入れる際は1度タオルで包む等ご配慮ください、など)
また、アウトドアに長時間携行する人は二重にして使うこともあるようです。
「炎天下で長時間使用する場合は、保冷ポーチを二重にして使うことをおすすめします。」
そのような添え書きもお客様にとっては有効かもしれません。
ハンドメイドならではのよさはもちろんたくさんあるけれど、どうしても弱点になってしまうのは、
「1人でできることの限界」
ですよね…。
耐久性や使用実験など、自分ができる範囲ではやれるけれど、想定していない状況で使われることも多々ある。
「みんな作ってるから…」
と思って作ったけれど、作った物への責任はどこまで負えばいいのか。
(「縫製の」問題であれば、全責任がある。
でも、素材の問題だったり、金具の問題だったら…??
その素材/材料を「選んだ」という時点で責任を負うべきなのか…。
私も実は今、別件ですが、金具の劣化について悩んでて😢
「ハンドメイド品における責任問題」はなかなか奥深く結論が出ないテーマです。
もうこれは「ミシン作家組合」でも作って共同研究するしかないですかね…笑)
これは販売する際にずっと付いて回る難しい問題ですね…。
今回の場合は特に、
「自分の作り方に問題があるのか?」
「自分が選んだ素材に問題があるのか?」
「それともみんな共通の問題なのか?」
が不明確であったからみなさん悩まれたのではないかと思います。
何の根拠にもならないかもしれませんが、私の実験では、
結露は 既製品ハンドメイド品関係なく 全世界(特に高温多湿な日本全国)共通の問題である。
という結論になりました。
結論出したのにまだ続く…あと2章もあります😂😂
おまけ
結露量の推移
量ってたけど、+20とかあり得ない数字になったから、ぶん投げたよデータ。
になります⬇。